今だから言える話ですがまだ20代半ばで神戸に住んでいた頃に出張ホストに登録してみたことがあります。スポーツ新聞に載っていた関西の出張ホスト募集広告に多少の疑いを持ちつつも女性のお相手をしてお金が貰えるという仕組みの魅力に抗うことができずに広告の中の一つに電話をかけてみたのでした。
今でしたらネットで色々と調べることができますが当時は携帯電話すらまだ一般的ではない時代。まだまだTVや新聞、雑誌が情報の全てでありました。
そんな時代ですから数ある出張ホストの広告から選ぶのにかなり迷った記憶があります。決め手は何だったのか?恐らく書いてある内容が一番まともそうだったからでしょう。新聞広告にまともな出張ホストの広告というものがあったらの話ですが。
さて、緊張しながら受付用の電話番号にかけてみたところ抑揚は無いが丁寧な話し口調の男性に繋がりました。新聞広告を見たことを告げ相手からの質問にいくつか答えたと思います。当時既に一人暮らしで誰から電話がかかってきても身内にバレる心配はありませんでしたので電話番号は正直に神戸の自宅の固定電話の番号を言いました。まあ今だったらスマホで使えるIP電話の番号を教えるところです。
結局この日の電話は相手からあらためて連絡をしますということで終了しました。そして翌日、仕事から帰ってくると留守番電に1件のメッセージが残されておりました。昨日の出張ホスト屋さんからです。早速電話をかけ直してみると何とお仕事が決まりました!とのことです。いやいや、面接もしていないのにそれは無いだろうと今ならすぐに思うところですが甘ちゃんの自分は食いつきましたね。
何でも東京から月に1度くらいの割合で来られている会員の女性で関西に来たときは遊び相手を求めていると。その方が明日関西に丁度(丁度!)来られる日で、新人のことを伝えたら興味を持っていただけたといった内容でした。何というトントン拍子でしょうか。勿論、新人とは自分のことであります。
この時点で少し怪しい匂いを感じとってはおりましたが欲に駆られた人間は不都合なことは気づかないフリをしてしまうもの。女性に会う前に面接をするので写真を貼った履歴書とスーツ姿で大阪の日○ホテルに指定した日時に来て欲しいと言われ二つ返事で承諾いたしました。電話を切ってからガッツポーズをしたかは覚えていませんがかなり興奮していたのは間違いありません。
そして日が変わりいよいよ自分が出張ホストデビューをする時がやってきたのでした。
(中編に続く)
投稿者 若気の至り様