※神戸出張ホスト顛末記(前編)はこちら
出張ホストデビューとなる当日は早めに準備を始めました。念入りに頭や身体を洗ったのは勿論のことですけど、早く逝ってしまってはと手淫で一発ヌクという作戦に出ました。一体自分は何を考えていたのか。
真夏の太陽が照りつける中、用意した履歴書を持って最寄り駅へと向かいます。カバンの中の履歴書には現在の職種を書き込んでいるわけですが、兵庫県内にある実在するかなり大きな会社の工場の名前を書きました。全くのデタラメです。まあ万が一の時の保険です。
神戸から大阪駅に着き、地下鉄に乗り換えて大阪の日○ホテルに到着しました。ホテルの中の公衆電話から指示されていた電話番号に電話をすると2階(記憶違いかもしれませんが少なくとも1階ではなかったことは確かです)にある公衆電話の前で待つようにと電話口の男性から言われました。言われたとおりその場所へ行って暫く待っていると中年で黒いスーツ姿の男性がやってきて声を掛けられました。正直、ヤ○ザ屋さんのような方が来ることも覚悟していたのですが紳士的な所謂ダンディーと言ってもいいような男性でしたので警戒心が少し和らぎました。
そして挨拶もそこそこにその男性が取っているという部屋に案内されて軽い面接を受けました。交わした内容はもう覚えておりませんが、今から会う女性に失礼のないようにお願いしますと何度か言われたことだけは覚えています。
短い面接が終わり、男性から女性が宿泊しているという部屋番号を告げられてそこへ行くようにと指示されました。また終わったらまたここに戻ってきてくださいとも。何をもって終わりなのかさっぱり分かりませんでしたが、分かりましたと返事をして女性が待っているという部屋に向かいました。
緊張しながらノックをするとドアが開いて50歳前後くらいの小柄な女性がひょっこりと顔を出し部屋の中に招き入れられました。女性のルックスは長めのストレートな黒髪で歳相応の見た目。美人ではないけれどブサイクでもありません。絹のような光沢のあるワンピースを着ており若干の色気を発しています。
そして会話もあまりしないうちから「じゃあ服を脱ぐ?」と言われ何だか現実的でない感覚に陥りました。何となく事務的な感じもします。咄嗟にシャワーを浴びたいと伝えてシャワールームで汗を流してから出てくると、女性は既に服を脱いでベッドに潜り込んでいました。手招きされたので自分もベッドに潜り込みそのまま事に及んだわけですが、これまた非常に事務的な雰囲気で気持ちの盛り上がりもなく風俗店で地雷を踏んだに等しいものがありました。
事が済むと特に会話もなく服を着替え、外へ出されました。何か失礼なことをしてしまったかと少し考えましたが、初めから有無を言わせぬような流れでこちらから何かをするようなことも無かったのでこういうものなのだろうと独りで納得し男性のいる部屋へと帰ったのでした。
(後編に続く)
投稿者 若気の至り様